融雪剤の影響は結束バンドも無視できない

融雪剤は塩分の効果によって水分の凍結を防ぐものですが、高い塩分濃度と水分を吸着しやすい性質により、金属を始めとした材質にダメージを与えます。ケーブルも塩害の影響で劣化することが知られていますが、実はケーブルを結束する結束バンドも同様に劣化する恐れがあります。理由はやはり水分の付着や侵入で、物質を劣化させる酸化作用のあるガスが水分に溶け込んだり、毛細管現象で内部に水分が入り込むなどが挙げられます。また、紫外線や低温の影響も無視できませんし、相乗的に劣化を促進する可能性が融雪剤にはあるわけです。

結束バンドは一見すると水濡れに強そうですが、実際は吸着して強度が低下したり、ガスの影響を受けて劣化します。融雪剤を使用する地域における結束バンドの選定では、やはり耐塩害と低温に耐えられる性能を併せ持つ製品を選ぶべきです。高い場所のケーブルの結束であれば、一般的な結束バンドでも融雪剤の影響を受けない可能性はありますが、紫外線や低温の方は無視できないです。結局のところ、融雪剤が活躍する地域は必然的に過酷な環境なので、塩害以外も考慮して結束バンドを比較検討したり絞り込んで選ぶ必要があります。

注意を要するのは、劣化要因に関して1つでも対応が不足すると、劣化が避けられず不満が残る結果になり得ることです。紫外線は分子レベルで物質に傷をつけますし、低温は物性の低下を招き本来の性能を出せなくしてしまうので、塩害と一緒に対策が必要です。

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